*今回県庁からの回答をうけ、そのまま英訳をするには説明が不足していると考えましたので、英訳に関しては以下のようにまとめてあります。
私たちからの質問「ダニ・カラヴァン氏へお知らせしているのか?」という質問への宮城県からの回答は次のようになっています。
「 ダニ・カラヴァン氏ご本人からではなく、人づてで美術館の移転の話があるということ、『マアヤン』の取り扱いについて心配しているという連絡が県の美術館にあり、こちらからは【施設のリニューアルによる現地改修と、それから他の施設との集約複合による移転新設について比較検討を行うこととしていて、現時点では具体的事項は決定されていない状況である。】とお伝えしたと聞いている。
(今回主導している震災復興企画部では)どなたにということなど直接は詳しく聞いていないのでわからない。美術館でやりとりをしていると伺っている。こちらではご自身の作品が今後どうなるかということを心配されているのだろうというふうに理解している。
2020年10月に、現地リニューアルと移転新設とのメリットデメリットを出した際に、ダニ・カラヴァン氏と話合いを持つか持たないかというのは我々としては決めていない。検討すべき要素のひとつには入ってくるとは思うが、当初の契約や、有志グループの方々から訴訟の可能性のお話があったが、先例等もふくめて、どういった対応をすべきかを今後検討して参りたい。たぶんいろんな項目について検討していくことになると思うので、美術館の他の屋外彫刻の扱いというものも入ってくるかと思う。検討にあたっては、美術館の担当部署、美術館の方々と充分話をしながら進めていきたいと思っている。メリットデメリットというのは、コスト、金銭的なものだけではないので、文化的価値なども要素になるが、今後、検討していく。」
これまでの経緯をわからない方のために補足をしておきます。
今回私たちからの質問にご回答いただいたのは美術館の直接的な主管部署の方ではなく、県有施設の再編という大きな枠を担当する震災復興企画部ですので、回答中にあるようにダニ・カラヴァン氏とのやりとりは直接知らないということになります。
そもそも、今回のことは、県民会館の移転整備計画に端を発する県有施設の再編についての検討過程で急浮上したものであり、そのため話合いも「県有施設再編等の在り方検討懇話会」という有識者で構成する任意の会議で行われ、そこには美術館関係者は入っておりません。
会議の議事録からは、老朽化により建てかえが必要になった現在の県民会館を移転整備するにあたり、国政策による施設集約化における財政上の優遇制度を利用するために、他の施設との合築・複合化検討する過程で、初めは県の武道館が良いのではないかという意見などが出されていました。しかし、移転先とする用地の面積が広すぎることなどの不都合があって、一転、美術館がちょうど良いのではないかという話が浮上しました。県議会の質問によればその話が出た時点で、震災復興企画部から、美術館の担当部署に通達するという形で現在に至っていますので、私たちからの質問は美術館に関してですが、ご回答いただく担当部署が違っているということになりました。